逃げ道を塞げ、目立つことをしろ

言うまでもないことだが、人の性格は十人十色である。気が強い人、明るい人、おとなしい人、温和な人など様々なタイプがある。世には数億人という人間が存在するのに、一人としてまったく同じタイプの人はいない。そう考えると普段の社会生活の中で、多くの人間を相手にするということは、大変なエネルギーを要するし、人間関係の難しさを改めて考えさせられる。

私も人間関係に関する悩み事の相談を受けることがあるが、相談者は内向的な性格や消極的な性格の人が多い。確かに、このような性格の人は、性格的にどうしても悩み事を背負い込んでしまいがちである。

しかし、だからと言って私は彼らに同情するつもりはない。内向的な性格や消極的な性格が悩みを生み出すのであれば、それを変えていく努力をしなければならない。ただ悩むだけ、ただ他人の同情を得るだけでは、何も変わらないのだ。

そのような人から相談を受けた場合、私はできるだけ周囲に目立つ行為をすることを勧める。つまり、他人から注目されることにより自分自身を追い込み、自ら逃げられない状況を作り出すのだ。そうすれば、「私の性格では…」などという言い訳はできなくなるし、投げ出したりもできなくなる。

内向的な性格や消極的な性格の人は、できるだけ目立つことを避けたがる傾向にある。彼らの言い分は色々あるだろうが、私からしてみれば、彼らは目立たないことによって、自分を守ろうとしているに過ぎない。下手に他人に注目されると、間違いを指摘されたり、笑われたり、恥をかいたりするのではないかと怯えているのだ。

結局、自信がないから他人の目を気にするのである。目立たないように生きて、自分に責任が及ばないようにしているのだ。問題が生じたら他人の責任にし、嫌なことも他人任せなのである。

なんと楽な生き方であろうか。そして、なんと卑怯な生き方であろうか。

スポーツ選手は、試合前に勝利宣言をすることがある。勝利を公言することで、自らを追い込み、ポテンシャルを高めているのだ。彼らは決して、「もし、試合に負けたら恥ずかしい」などとは思わない。

であれば、内向的な人や消極的な人、気が弱い人などは、自ら周囲の注目を集める状況を作り出さなければならない。そして、そのプレッシャーに打ち勝つことで、自分の弱点を克服していくのだ。

見た目や体裁を気にしてはならない。周囲の目など、どうだっていいことだ。自分で逃げ道を塞ぐことで、自分に打ち勝つのだ。

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