何か新しい仕事にチャレンジする時、または目の前に突然チャンスが訪れた時、誰もが自分に出来るのか出来ないのかを考える。そして“昨日までの自分” “今までの自分の実力”という物差しでそれを判断する。過去に成功体験が多い人ほど「自分は上手くいって当たり前!」と思うから、次から次へと成功していく。本当はかなり苦戦をしたはずでも、マイナスの部分を凌駕する、その「出来る!」と思う気持ちが「出来た!」にさせてしまうのだ。またそれは相乗効果となって、予定総和以上の大きな成功をもたらすことになるのだ。
とあるサラリーマン、Bさんの話。会社帰りのBさんは、大学時代に憧れていたA先輩と、駅のホームでバッタリ出会った。A「久しぶりだなあ」B「先輩も全く変わりませんねえ」などと喋っている内、じゃ飲みに行くかということになった。学生時代の頃からそうなのだが、Bさんはこの元気なA先輩と居ると、とても楽しい気分になるのだ。Bさんは昔から先輩のそういう所が好きだった。何故か、自分まで何でも出来そうな気にさせてくれる、この先輩と居ることが好きだったのだ。(久しぶりに会ったA先輩、今も相変わらず大きく見えるのは何故だろう?大きく口を開けてゲラゲラ笑って楽天家で、楽しんで遊んでいて、それでいてお金も入ってくるように見える。私とはどこが違うのだろう)Bさんはそんなことを考えながら、先輩と楽しい時間を過ごしていた。
実はこの日のBさんは、仕事のことでかなり落ち込んでいた。それを感じ取ったのかA先輩が話した。「B君。大学のクラブの時、君がひとりでボールを磨いたり道具を手入れしたり、部室をきちんと綺麗にしてくれていたことを、俺は知っている。君はおとなしいけどコツコツ頑張る芯のしっかりした男だ。大丈夫さ、B君。君なら出来る!君がクラブを裏側で支え続けてくれたことは、あの頃の仲間はみんな知ってるよ。何故って?それは俺が全部喋っちまったからさ!ハハハハハ!」憧れの先輩にそう言われ、Bさんは少しずつ元気を取り戻してきた。この所契約が取れなくて落ち込んでいたことも、バカらしく思えてきた。Bさんはそのことを、包み隠さず正直に話した。「ハッハッハ!」案の定、先輩は大笑いした。Bさんは元気と自信を取り戻していた。
翌朝、正直に上司に昨日も契約が取れなかったことを報告した。が、その表情に後ろめたさは何もなかった。上司「誰かこの物件に行ってくれる者はいないか」Bさん「私に行かせてください!」そう言って他の社員を後にして、颯爽と外回りに出掛けて行った。上司「ほう…。何か変わったな」
一度や二度、失敗したからって萎縮することはない。「また失敗したら…」と思うから失敗してしまう。自ら失敗の方向へ転がって行ってしまうのである。
自分を過小評価する必要など全くない。むしろ過大評価せよ。「自分なら出来る!」その気持ちが成功をもたらすのだ。
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