私は願望実現請負人として多くの人々に会ってきた。その中には、驚くほど不幸な人生を送ってきた人もいる。何をやってもうまくいかない上、次から次に不慮、不測の事態が襲ってくる。とても事実とは思えない悲惨なケースもある。しかし、事実なのである。泣けてくる。彼らの不幸な身の上や悲しい体験はいかに他人事とはいえ涙が流れてくる。
そのような人々は、例外なく不幸輪廻にはまっている。だから、ただでさえ恵まれていないところに、「これでもか」というように次々と不幸が襲ってくるのだ。かかる状態では成功などありえない。
なぜ、そうなるのか。簡単にいえば、不幸輪廻にはまり不幸な人生を送っている人々は、ほとんどの人がその不幸を嘆く。「私ってこんなに不幸なのよ」とか「なんで俺だけがこんな目に遭わなきゃいけないんだ」というように、とにかくマイナスのことばかり口にする。当然、思考も意識もマイナスである。「どうせ上手くいかないだろう」「やるだけ無駄だ」などである。
彼らは、このようなマイナスの発言や思考、意識を潜在意識に送り込んでしまい、その結果、再び災難が降りかかり輪をかけて不幸に陥るのである。いつまでたっても、不幸から抜け出せないのだ。
不幸輪廻から抜け出すにはどうしたらいいのか。これは前回講義した陰と陽にもかかわる。不幸の渦中から逃れるためには、どうしても陽が必要である。人生が陰にはまりこんでいると思考や意識も全部陰となっていく。だから、どうしても陽が必要となるのだ。
陽を発動させるためには、プラス思考、プラスの言動などプラスの行動が必要だ。言うのは簡単だが、行うのが難しい。言い換えれば、やろうと思えば誰でもできるが、相当の努力が必要であるということだ。
一時的にプラスの行動にでるのは簡単だ。不幸輪廻にはまっている人もこのような話しを聞けば、その日位はプラスの行動を心がけるであろう。しかし、そう簡単に断ち切れるほど不幸輪廻は甘くない。プラスの行動を継続して行うことにのみ不幸輪廻を断ち切れるのだ。だから、人生を変えることは難しいのだ。
その反面、不幸輪廻を断ち切った場合、今まで不幸だった人々は振り子が大きくマイナスに振れていたわけだから、大きな成功を手にできることも確かだ。
「継続は力なり」である。自分の気持ちに嘘をついてでもいいから楽しい言葉を話し、笑顔を作って欲しい。毎日、毎日である。
現在自分は不幸であると思っている人々に言う。私も以前ホームレスにまで身を窶したこともある。その辛さ、やるせない気持ちはわかる。しかし、だからといって自分の不幸を周囲の人にグチって何になるのだ。世の中の不幸を一手にしょっているような顔をしても何が生まれるのか。不幸だからこそ楽しい話をするのだ。不幸だからこそ笑うのだ。
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