現代のテレビ番組では、お笑い番組やバラエティ番組が花盛りだ。タレントの人気ランキングを見ても、男性も女性もいわゆる「お笑い系」の人たちが上位を占めている。時代劇の大物俳優やアイドルグループのスターも、バラエティやトーク番組で、ユーモアのセンスがあることが分かるとまた人気が出てしまう。ユーモアのある人が、脚光を浴びる時代なのだ。
ユーモアとは国境を越え、年齢や身分も越えて、誰もがその楽しさを共有し、コミュニケーションを円滑にする潤滑油である。例えばロシアにこんなユーモアのある小咄がある。
モスクワの赤の広場でとある酔っぱらいが大声で叫んでいる。「プーチン大統領の大バカ野郎!」すぐに警察がやってきて酔っぱらいを取り押さえた。酔っぱらい「なんだなんだ。国家反逆罪か」警察「違う。国家機密漏洩罪だ」。ユーモアは万国共通だ。
ユーモアには不思議な力があって、相手の落ち度や欠点を突くような、普段なら言いにくい事も、その本人を目の前にして本人をネタにユーモアを交えて喋れば、喧嘩にはならない。かえって親交が深まるというものだ。また、他の人間に言われると腹が立つけどアイツに言われると、何だか妙に納得して憎めないんだという人がいる。あなたの周りにも、普通に喋っているだけなのに、訳もなく面白いという人が必ずいる筈だ。こうした人たちに共通しているのは「ユーモアのセンスがいい」ということだ。こういった人の周りには人が集まる。
では、どうすればユーモアのセンスは身に付くのか。2つある。第1に、テクニックである。これは真似をするしかない。ユーモアのセンスがある人の会話、話し方を盗んで、真似て、覚えるしかない。第2に、これが重要なのだが、心に余裕を持つことだ。ユーモアとは、今ある状況を引いて俯瞰することによって生まれてくるものなのだ。あまりに真面目過ぎては、ユーモアは生まれない。物事は余裕を持って眺めること。実はこれが、成功へと繋がっていくのだ。成功者にユーモアのセンスがある人が多いのは、そうした柔軟な意識を持つに至っているからだ。ユーモアのセンスがあることは、成功者の資質の一部と言えるのだ。「成功は陽気の内において育つ」という言葉がある。笑いは陽気を醸し出す。成功を志すなら、是非とも記憶されたい。
人間が他の動物と違うのは、動物的欲求の他に人間的欲求や自我を持ち合わせている点だ。自我をそのままストレートに言葉にするのでは、ただの自分勝手な人間でしかない。自我や人間的欲求を一度自分で受け入れ、その上で相手のことも考慮に入れ、互いの心に暖かさや明るさをもたらす言葉で伝えていく。そんなユーモアのセンスを是非身に付けられたい。自分の欲求を満たすだけの成功でなく、相手に喜びを与える成功こそが、真の成功であることを心得よ!
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