目標を立てるな、目的を持て

多くの方々が誤解していることのひとつに目的と目標の違いがある。私は常々、「目標を立てるな、目的を明確に持て」と言っている。両者は非常に似てるため混同されがちだが、意味はまったく違う。この違いから話をはじめる。

目的とは願望や夢である。これに対し目標とは、目的を達成するための手段、方法である。例えば、旅行に行くとする。行き先が目的である。そのために飛行機で行くのか、電車で行くのかといった目的に到達する手段、方法が目標にあたるわけだ。

目標という言葉はよく使われる。「成功のためには目標をきちんと持つべき」などと説く者もいる。目標を設定しただけで、成功するのであれば誰も苦労しない。

そして、最も懸念すべきは目先の目標にとらわれすぎると、肝心の目的を見失ってしまうということだ。先の例でいえば、飛行機や電車といった手段、方法にばかり目がいき、肝心のどこに行くのかという大意がおろそかになると決して楽しい旅にはならないだろう。

なぜ旅行に行くのか。目的は何かということだ。仕事で疲れた体を休め、心癒す目的であれば、おのずと目標たる手段も見えてくる。蓋し、長時間電車に揺られては移動だけで体は疲れる。この場合の手段は飛行機となる。他方、旅そのものを味わう目的であれば、手段は電車となる。

このように、目的さえしっかりしていれば、余計な思案をしたり、行動に出たりすることはなくなる。逆に目的がしっかりしていなければ、目標にとらわれすぎるため無駄なことばかりしてしまうのだ。

これが旅行の話しならまだいい。しかし、これが人生の話しであれば別である。人生は一度きりで短いものである。寄り道をしている暇はそれほどない。目的と目標の違いの不知や誤った解釈が生き方そのものを左右してしまうのだ。

目的がはっきりしていれば、そのための手段、方法である目標は潜在意識が自然に与えてくれるのである。

この講座を読んでいる諸兄に問う。あなたの人生の目的は何か。

今、この瞬間から、目先の目標にとらわれるのではなく、目的を見直すべきである。目的さえ明確にしていれば、潜在意識が正しい目標を選択し、導いてくれる筈だ。即ち、目的が達成できるということである。

ただし言っておく。目的を持っただけでは駄目だ。あくまで明確に持つのだ。金持ちになりたいと思っても、金をどう使うのか。それをはっきりさせるのだ。家を建てるためでもいい。事業をするためでもいい。借金を返済することでもいい。

これが、目的を明確に持つということである。あとは、潜在意識の導きにしたがっていけばいいのだ。

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