人間誰しも欲というものがあるが、一般的に「欲」は、否定的に捉えられている場合が多い。だが、私は欲は悪いものではなく、むしろ肯定的に捉えている。今回は、「欲」について話そう。
「欲張り」や「欲深い」などの言葉が示すとおり、欲も限度を越えれば、他人に迷惑をかけ、また非難の対象となることは言うまでもない。
しかし、そもそも欲は人間を動かすエネルギーの根幹である。飛行機でも車でも、物が動くときにはエネルギーが不可欠であるが、人間が動くときのエネルギー源は、多くの場合、欲望が動機となっている。
例えば、気に入った異性の気をひくためになら、何でもできるときがあるはずだ。この場合、相手を自分の彼女や彼氏にしたいという欲望が根底にある。その欲望が動機となり、何でもするというエネルギッシュな行動につながっている。そのパワーたるや凄まじいものがあるのだ。
別に恋愛問題だけのことではない。いい大学に入ろうと、猛勉強するときや、出世のため、がむしゃらに働くときも、欲望がエネルギー源となっているのである。
逆に言えば、欲のない人間や欲の少ない人間は、エネルギーがない、あるいはエネルギーが希薄になる。つまり、人間としてのパワーが不足しているのだ。
ある意味、これは、欲深い人間よりも問題である。人生に於ける目標や願望、夢がないということだからだ。それでは、何のために働いているのか、いや何のために生きているのか分からないであろう。
私も、世に言う成功者と呼ばれる人々と会うことが多いが、彼らはとにかくエネルギッシュであるし、また目が普通の人と違う。何というか、力のある目をしている。四六時中、自分の欲望を達成する機会を窺っている目である。成功者には欲望というエネルギー源が不可欠なのだ。
かといって、周りを省みず、自分の欲望のみを追求しすぎると、単なる欲張りになってしまう。何事にも言えるが、要はバランスが重要なのだ。
そのためには、自分の欲望を明確にし、かかる欲望が真理に反していないか客観的に考察するのだ。真理に反していなければ、後はその実現に向かってエネルギーをかき立て続け、努力をするだけである。
但し、大きな欲望を抱いても、それを実現していくための行動を継続するのは非常に難しい。多くの人は、途中でなにがしかの言い訳や理由をつけて諦めてしまう。
これを読まれている人は、自分の欲望の実現のため、日々エネルギッシュに邁進していることを願うばかりである。
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