マナーを身に付けろ、ちゃんとした大人になれ

先般、この講座で礼儀や礼節の大切さを説いたが、意外に皆さんからの反響が多かった。礼儀や礼節の大切さを再確認した人もいれば、一方で、その大切さを初めて知った人もいた。何だか複雑な心境である。私の言葉で、初めて大切さに気づいてくれたことは嬉しいが、なぜもっと早く、それを教える人がいなかったかということを思えば、正に世に人はなしといった境地である。今回は、このような状況に鑑み、人付き合いにおけるマナー一般について述べる。

礼儀作法の重要性は、この前述べた。が、これに付随して二、三述べたいことがある。まずは、挨拶の徹底である。徹底と言うからには、誰に対してもということになる。もちろん嫌いな人や、苦手な人も含まれる。わが国の文化や社会常識から見ても疑問の余地のないことである。

また、自分の失敗や過失で人に迷惑を掛けたら即座に陳謝する。子どもでも分かることである。だが、なぜか大人の方が出来ていない。不必要なプライドや体裁が邪魔してしまうからだ。端から見ていると、はっきり言って見苦しいものである。

他にも身だしなみや、言葉遣いなど、礼儀作法の大切さのから派生するものもあるが、これらも当たり前のことである。

次に、時間厳守。これも、小学生の時などは、遅刻をしたら先生にこっぴどく叱られたはずである。なのに、大人になると平気で時間に遅れてくる。また、目上の者や地位の高い者は時間に遅れてもいいと勘違いしている人もいる。時間厳守に上司も部下もない。上司が遅れてくれば、拘束されている部下の時間も無駄になる。時の刻みは自分だけのものではないのだ。どんな事情であれ、約束の時間は厳守しなければならない。また万が一、遅刻するようなことがあっても、決して言い訳はすべきではない。

さらに、以前述べたように人の話をよく聞くことも大切である。これに付随して、会話の最中は、相手の目をしっかり見るべきである。相手の話を聞くときも、自分が喋るときもである。私は、常々思うが、他人と視線を合わさない人は、信用できない者が多い。かかる場合、自信のなさの表れや嘘を取り繕おうとしてたり、自分の弱点を隠そうとしている場合が多いのだ。本気で何かを相手に伝えようと思っている人は、自然と相手の目を見て喋っているものだ。

スペースの関係上、駆け足で述べたが、どれも当たり前のことばかりである。しかし、これが出来ていないのである。また、その大切さすら忘れてしまっているのである。皆さんも、自身が出来ていないことは、素直に認め、本日から遵守を心がけるがよい。ただし、誤解しないでもらいたいのは、これらのことが出来てはじめて普通の大人あるいは社会人ということである。これらの事柄は何も特別なことではないと認識するべきである。

ただし、これらのことはできていない人が圧倒的に多いため、当たり前のことであっても、きちんとできる人は相対的に人格者との評価を得られることとなろう。

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