以前、人間関係を円滑にしたいなら相手を褒めよということを述べたところ、人間関係を円滑にする他の方法を問う声が多くあった。裏を返せば、それだけ人間関係で悩んでいる人が多いということだ。今回は人間関係をテーマにしよう。
前にも話したが、円滑な人間関係は成功のための絶対条件である。成功するには、多かれ少なかれ他人の協力や助力が必要である。自分一人の力のみで成功した者などいないのである。
人付き合いにも得手不得手があり、性格的に人付き合いが苦手な人もいる。しかし、今まで多くの人と接してきた私に言わせれば、人付き合いが苦手という人は、人の話を聞かないことが多い。いや、厳密に言えば人の話を聞けないのである。しかも、そういう人に限って自分の話は他人に聞かせたがるものだ。中には、相手がウンザリしているのにも拘わらず、一方的にまくしたてる人もいる。
これでは到底円滑な人間関係など築けまい。
人間は誰でも自分の話を聞いてもらいたいものである。いわゆるトップセールスマンといわれる営業マンは口下手が多い。意外とも思われるであろうが、トップセールスマンの要件は口が上手いことではなく、人の話を聞くことが上手いということなのだ。
また、カウンセラーという職業は、人の話を聞くことが主な業務である。人の話を聞くということだけで職業として成り立っているのだ。有能な占い師も同じである。占いらしきことを何も言わなくとも、話を聞いてあげるだけでお客は満足して帰っていくのだ。
女性でも男性でも聞き上手は異性にもてる。大して美人、美男でなくとも、聞き上手でやたらともてる人はみなさんの周りにいるであろう。
人間関係を円滑にしたいのであれば、まずは他人の話をよく聞いてあげればいいのである。じっくりと、真剣にだ。
人の話を聞いてあげるということは、その人の自己重要感を高めてあげることにつながる。だから、みな自分の話を聞いてもらいたいという欲求があるのだ。
次に人間関係を円滑にするために資するのは、笑顔である。相手が笑顔であれば接しやすいのは言うまでもないことだ。
笑顔はコミュニケーションの最大のツールである。動物の中で笑えるのは人間だけであり、人間だけに与えられた特別なツールと言えよう。人間である以上、これを活かさない手はないのである。
このように、話をよく聞いてあげることや笑顔は人間関係を円滑にすることは確かであるが、これはいわばテクニックの問題である。最も重要なのは、やはり自分の人格を向上させることである。人格者と言われる人のもとには、自然と人が集まるものだ。
皆さんも聞き上手になることや笑顔を絶やさないことを心がけるとともに、それ以上に自身の人格の向上を意識しなければならないのである。
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