億万長者にはいくつかの共通項がある。そのひとつが「素直さ」だ。
もちろん、どんな苦境に立っても頑として揺るがない信念も必要だ。しかし、基本的には素直さを備えていなければ、億万長者にはおぼつかない。
よく「どうすれば億万長者できますか」との質問を受けるが、「トイレをピカピカに掃除しなさい」と答えることにしている。ムッとしたり笑って私の言っている真意を問おうともしない人は、まず間違いなく億万長者にはなれない。
逆に愚直なまでに遂行したり、真意を積極的に訊いたりする人は億万長者になる可能性大である。私は億万長者であり億万長者要請人である。その私が、まじめに答えたことが、どんなに突飛なことであっても、一旦受け入れる素直さが億万長者には必要なのだ。
銀行の融資担当者は、融資の決断ができにくい場合、お客さんのところに行き「トイレを貸してください」という。つまり、トイレがきれいなお客さんには、多少厳しい場合でも融資に踏み切るのだという。
お金を貸すという商売の歴史は古い。長い歴史の中で培われた膨大な経験から、「トイレのきれいなお客さんにはお金を貸しても大丈夫」というマニュアルが出来上がったのだろう。理由はどうであれ、トイレがきれいなお客さんは期日に利息を添えて返済する場合が多かったのだろう。生き金として使い、成長して行ったのだ。
素直さとは、あらゆるものを一旦受け入れることができる柔軟性を言う。かたくなに自分の価値観や自我を前面に出し、それにそぐわないものは一切拒否してしまう姿勢の人は、なかなか億万長者になりえない。
また、自分を解放することにもつながる。自分の造った枠に閉じこもっている人間に億万長者への道が拓ける可能性などないのだ。
さらに素直さには、好奇心の裏づけがある場合が多い。ある事象が起こると「へえ、それで」といった姿勢だ。この好奇心も億万長者になるための重要な武器であることは言うまでもないだろう。
最後にひとつ注意しておく。素直さは億万長者への条件である。しかし時として優柔不断や流されるといった億万長者への道を阻む状況に陥ってしまうことがある。素直さと流されることは表裏一体なのだ。何が違うのか。素直さとは一旦受け入れ、客観的に咀嚼することができてこそ武器となるのだ。
億万長者になりたければ「素直になれ、そして流されるな」、である。
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