快楽原則に負けるな、自分自身に勝て

先日テレビのニュースで失業問題を取り上げていた。やはり事態は深刻であり、失業率も依然高いレベルにある。当然ホームレスも増加の一途を辿っている。私も一度はホームレスの経験があるので、この問題は人ごとではない。何十年も会社に忠誠を誓い、真面目に働いてきた人々が、突然の会社の倒産により、失業者になり、やがてホームレスになっていく。非常に悲しいことである。

しかしだ。すべてのホームレスがこのような悲しい運命を辿っている訳ではない。中には若い時分からロクに仕事もせずに流されるまま歳を重ね、結局ホームレスに成り下がった者も多いはずである。

殊に、バブルの時代に会社に拘束されずに自由気ままに生きていこうとして、気楽なフリーターという道を選択した人々がホームレスになっているという。まだ四十代や五十代でだ。

人間、いや人間に限らず動物は原則として怠け者である。

快楽原則が支配しているからである。放っておけば楽な方向へと流されるようにつくられているのだ。

ただ、あまた多くの動物のうち人間だけが、その意思をもって快楽原則に打ち勝てることも事実である。

「戦場において千人の敵に勝つよりも、一人の己に勝つ者こそ最上の戦士である」という古の言葉がある。要するに自分に勝つことはそれだけ難しいということである。また、いくら他人より勝っていたとしても、自分自身を律することができなければ、何の意味もないとも解釈できる。

人生は修行の場である。誰でも生を受けてから死に至るまでの間、多くの試練や苦痛を味わうことになる。また、社会生活を前提とする以上、悩みやストレスに苛まれることも不可避である。

もちろん、人間は誰でも辛いことより楽しいことの方が好きであるし、辛いことから逃げたい気持ちも分かる。

だが、逃げ回っていてはこの世に生を受けた意味がない。一度きりの人生である。来世でのやり直しはできないのだ。

であれば、自分自身のためにその人生を全速力で全うすべきである。何事に対しても、一生懸命努力すべきである。快楽原則に従い、怠けたり流されたりしている暇はないはずである。

あなたは「自分自身に勝てるか」という問いかけに対し何と答えるのであろうか。

是非とも、迷わずに「はい」と答えられる人間であってほしい。

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