世の中あらゆるものに陰・陽が存在する。自然現象にしても雨の日があれば、晴れの日もある。暑さと寒さがある。人間の男女もそうである。感情にも愛情と憎悪があり、これも陰と陽である。
陰と陽で構築されている世の中だが、必ずしも陰が悪いというわけではない。そこを誤解しないでほしい。ストレスは健康の大敵とされ人々に忌み嫌われている。現在諸悪の根源のようにいわれているストレスは陰である。しかし、ストレスもまったくなければいいというものではない。ストレスのお陰で、人間が生きていくために必要なホルモンが分泌されているのである。例えば、転職などで環境が変わってもいつのまにか順応していることがある。これは、ストレスのお陰である。また、重大な場面に直面したとき自身を鼓舞し、通常では出せない力を発揮することができるのもストレスのためだ。
かといって、陰に傾倒しすぎてはならない。
たいていの人は肉も野菜も食するだろう。肉の陽に対し野菜は陰である。肉よりも野菜が体にいいと聞いたら、菜食主義者ばりに野菜ばかり食べる人がいる。しかし、肉をまったく食べずに野菜ばかり食べても栄養バランスは崩れる。
陽もしかりである。肉ばかり食べていては体に毒である。
要は陰と陽もバランスが大切であり、どちらかに偏ってはならないのだ。これは、健康だけではなく、社会生活においても同様のことがいえる。
例えば、事業や商売がうまくいって大儲けしたとしよう。成金のように贅沢や浪費をつづければ必ずや転落する。陽に傾きすぎだからである。他方で、守銭奴の如く金を貯め込むことは、陰に傾倒しすぎであまりにも陽を軽んじている。どちらも、真の成功者にはなれない。
事業や商売がうまくいくということは、お金を稼ぐ陽と、無償で他人に貢献する陰のバランスがとれているからなのだ。一時的に成功した事業や商売もうまくいっている時点では、このバランスがとれているものだ。
お金は血液と同じで、常に循環させなければならないのである。儲かっているときほど、恵まれない人々に寄付や援助をして陰を整え、バランスをとらねばならないのである。
万物には陰と陽が存在する。健康や商売だけでなくすべてのジャンルにだ。そして、陰と陽の均衡が崩れた場合、成功という結果は訪れない。
豊かな人生にしたいなら、実りある一生をおくりたいのなら、事物の陰と陽を理解し、常にそのバランスがとれているかを意識せよ。
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