失敗とのつきあい方

の講座でもたびたび言っているが、現在成功者として社会的地位や富を手に入れた人たちも、そこに至るまでは決して平坦な道のりではなかったはずである。幾度の失敗から立ち上がり成功を収めたのである。かくいう私も例外ではない。一時は、ホームレスにまで身を落としたが、数々の失敗を経て現在の地位を手に入れたのだ。

一方で失敗からいつまで経っても立ち直れない人もいる。仕事にしろ、恋愛問題にしろ一度大きく失敗すると、後まで引きずり新たに挑戦することができないのだ。

私はこれまで数え切れないくらい多くの失敗を犯し、そこから立ち直ってきた。今回は失敗とのつきあい方について話そう。

まず、どんな人間でも失敗は犯してしまう。失敗を完璧に防ぐことは不可能である。問題は失敗したときの気持ちである。

多くの人は失敗すると落ち込んだり、塞ぎ込んだりしてしまう。そして、失敗から目をそらし、早く忘れようとする。

私は違う。私はむしろ失敗したときは、失敗に心の底から感謝する。確かに、失敗によって財産など大きなもの失うときもある。困難が待ち受けていることも知っている。だが、それでも嬉しいのだ。なぜなら、失敗すれば必ずそこから学ぶことができる。今まで気づかなかったことに気づく場合もある。だから失敗に感謝なのである。

また、厳密に言えば、私は失敗を失敗だと思わない。つまずき、成功に至る過程でのつまずきと捉える。失敗しても、再びチャレンジして必ず乗り越えられると確信しているからだ。もちろん失敗した自分を客観的かつ徹底的に分析し、失敗の原因や対処法を学びとることが前提である。

さらに、大きな失敗により苦難や試練を味わったならば、今度は必ずプラスの方向へと向かう。そう、振り子の法則である。逆境を克服すれば、その先には成功が待ちかまえているのだ。

二宮尊徳や野口英世などは、現在では偉人として紹介されることが多いが、彼らも立派な成功者である。しかも、両者は子どもの頃は本当に不幸な境遇にあったという共通点がある。まさに、逆境をバネに功を成したのであり、幼い頃マイナスに振れていた振り子が、後年に大きくプラスに振れたのである。

如何であろうか。もちろん好んで失敗したいとは思わないだろうが、失敗もそれほど悪いものではないであろう。ましてや、いつまでも落ち込んだり、引きずったりする必要はない。

私は、今では成功者と言われるが、手中に収めた成功よりも、むしろその犯した失敗の数々を誇りに思う。けだし、これら多くの失敗が私を気づかせ、学ばせ、そして成功に導いてくれたからである。

皆さんも是非失敗を恐れずに、人生の糧にしてほしい。

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