私が主宰するセミナーや講座を受講している方々の悩みで最も多いのはお金の悩みだが、次に多いのが異性も含めた人間関係の悩みである。
私は、常々、人間関係を円滑にしたいのなら、相手を褒めろと言っている。
人間は、社会生活を前提としている生き物である。多くの人は、他者とのかかわりなしに独りでは生きていけない。そのために、人間には「群居衝動」という本能が備わっているからである。群居衝動とは、色々な人と交わって生きていきたいという本能である。
群居衝動を満たすためには、相手の自己重要感を高めてあげればいいのであり、だから相手を褒めろと言うのだ。そうすれば、人間関係は自ずからスムーズになる。
理屈はこのとおりであるが、実際、相手を褒めることが苦手な人が多い。口下手な人がやみくもに相手を褒めると、見え見えのお世辞に受け取られ、かえって逆効果の場合もある。相手を褒めることにも道理というものがあるのだ。
まず、相手の本当に褒めるべき点を見つけることが必要である。つまり相手の長所や長所とまで言えないものの、よいところである。褒めるべき点を見つけ、的確に褒めてあげなければならないのだ。また、極めて有効なのが、相手が褒めてもらいたい点を見つけることである。
自信のない人や、コンプレックスの多い人は、どうしても他人の長所よりも短所が気になりがちである。そのような人はなかなか他人の長所に気づきにくい。だから、相手を褒めることができず、いつまでたっても人間関係が好転しないのである。
度々、言っているが、他人のあら探しや、悪口、愚痴など言っても、何もいいことはない。むしろ弊害だらけである。心当たりのある人は、今すぐにでもそのような悪癖は正すべきである。
相手の良いところを探すのも、苦手な人にとっては努力が伴う。しかし、毎日そのことを意識して他人と接していれば、必ずやできるようになる。
また、相手を褒めるということは、単に人間関係を円滑にするに留まらず、人動術の観点からも有効な手段と言える。
人を味方につけなければ成功はできない。そのため、如何にして人の心を動かし、自分の味方にする法を人動術と言うが、相手を褒めることにより、相手が自分の味方になってくれることは説明するまでもないであろう。
このように、相手を褒めることは、いいことずくめで、悪いことは何もない。であれば、早速実行するがよい。
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